ワシントン条約に係る規制の概要

目次

1. ワシントン条約の目的

ワシントン条約(CITES:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)は、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的としています。

2. 規制の概要

ワシントン条約は、絶滅のおそれがあり、保護が必要と考えられる野生動植物を附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの3つの分類に区分し、附属書に掲載された種についてそれぞれの必要性に応じて国際取引の規制を行うこととしています。
附属書Ⅰでは、絶滅のおそれのある種で取引による影響を受けている又は受けるおそれのあるもの(オラウータン、ウミガメ、コツメカワウソ、ジャイアントパンダ、木香等)について定めており、原則としてこれらのものに関する商業取引が禁止されています。学術研究目的、共同保護計画目的等の場合は取引が可能ですが、取引に際しては、輸出国及び輸入国の担当局から、その取引が種の存続を脅かすことがないとの助言を得る等の必要があり、また輸出国の輸出許可書(CITES輸出許可書等)及び輸入国の輸入許可書の発給を受ける必要があります(ワシントン条約3条)。

 

附属書Ⅱでは、現在、必ずしも絶滅のおそれのある種ではないが、その標本の取引を厳重に規制しなければ絶滅のおそれのある種となるおそれのある種又はこれらの種の標本の取引を効果的に取り締まるために規制しなければならない種(クマ、タカ、オウム、ライオン、サンゴ等)について定めており、これらの種の取引に際しては、輸出国の許可を受けて商業取引を行うことができます。取引に際しては、輸出国の担当局から、その取引が種の存続を脅かすことがないとの助言を得る等の必要があり、また輸出国の輸出許可書(CITES輸出許可書等)の発給を受ける必要があります(ワシントン条約4条)。

 

附属書Ⅲでは、ワシントン条約を締結しているいずれかの締約国が、捕獲又は採取を防止し又は制限するための規制を自国の管轄内において行う必要があると認め、かつ、取引の取締のために他の締約国の協力が必要であると認める種(セイウチ(カナダ)、サンゴ(中国)等)について定めており、これらの種の取引に際しては、種を掲載した締約国からの取引に限り、当該国から輸出許可書の発給を受け又は原産地証明書等を得る必要があります(ワシントン条約5条)。

 

 

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