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税関の関税等脱税事件に係る犯則調査の実施状況(令和4事務年度)について

目次

今回は、令和4事務年度(令和4年7月から令和5年6月まで)における、税関の関税等脱税事件に係る犯則調査の実施状況について、ご紹介します。

なお、以下でご紹介する内容は、財務省のHP上で公開されている情報に基づいたものです。

 

1. 犯則調査とは

税関の犯則調査とは、不正な手段により故意に関税を免れた納税義務者(輸入者)に対して、正しい税を課すほか、反社会的行為(犯罪行為)に対して刑事責任を追及するため、犯罪捜査に準ずる方法でその事実の解明を行う調査のことです。

2. 令和4事務年度の犯則調査の実施状況

財務省が発表した令和4事務年度の犯則調査の実施状況は以下のとおりです。

令和4事務年度に税関が行った犯則調査の結果、169件が処分(検察官への告発(※1)又は税関長による通告処分(※2))されており、総脱税額は、約2億1000万円となっています。

 

処分した事件のうち、金地金の密輸事件が125件と約7割を占め、その脱税額は総額で約1億7000万円となっています。金地金の主な処分事例として、航空機旅客による金地金約3.8キログラム(脱税額約316万円)の消費税等脱税事件があったとのことです。

また、金地金の密輸事件以外の主な処分事例として、中古自動二輪者等の消費税等脱税事件があったとのことです。

3. 犯則調査に関する対応の注意点

以上のとおり、税関の犯則調査が実施された場合、検察官への告発又は税関長による通告処分が行われ、輸出入を行う事業者の事業の継続に大きな影響を与える可能性がありますので、犯則調査を受けるにあたっては慎重な対応を心掛ける必要があります。

 

 

当事務所には、通関士資格を有している弁護士がおり、輸入申告方法の是非の判断業務、税関事後調査・犯則調査への対応業務、輸出入通関にともなう税関トラブルへのサポート業務を提供しております。

交渉を業務の常とする弁護士が、通関士資格に裏打ちされた知見に基づき、税関との交渉の代理・アドバイスを行います(税理士は、税関に関する問題については、職務権限外となっております。)。

ご相談をご希望の場合は、電話又はメールにて、当事務所にお気軽にお問い合わせください。ご相談のお申込みはこちらから行うことが可能です。

 

※1 告発とは、犯則調査の結果、その情状が懲役刑に相当するとき、又は以下に示す通告処分を履行する資力がないとき等に、検察官に告発し、刑事手続に移行するものです。

※2 税関長による通告処分とは、犯則調査の結果、その情状が罰金刑に相当するときに、税関長がその罰金に相当する金額の納付を求める行政処分です。犯則者がこれに応じないときは検察官に告発することになります。

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