外為法

外為法の概要

1. 規制の概要

外国為替及び外国貿易法(外為法)では、一定の政策的見地から輸出入に関する規制を受ける場合があります(外為法48条)。
特に、輸出の場合は、兵器として転用される可能性がないか、大量破壊兵器開発につながる恐れがないかなどの観点から、ハイテク製品や機器類の輸出について、安全保障の観点から、以下のとおり経済産業省の管轄官庁に申請し許可を取得すること等が求められる可能性があります(リスト規制、キャッチオール規制)。

2. リスト規制(外為法48条1項、25条1項、輸出貿易管理令別表第1の1~15項)

政令で指定された軍事転用の可能性が特に高い機微な貨物に該当する場合、又は、提供しようとする技術が、政令に定める事項に該当する場合には、貨物の輸出先や技術の提供先がいずれの国であっても事前に経済産業大臣の許可を受ける必要があります。そして、リスト規制に該当するか否かは、輸出者自身において該否判定(リスト規制の対象か否かの判断)を行う必要があります。

3. リキャッチオール規制(外為法48条1項、25条1項、輸出貿易管理令別表第1の16項、外国為替令別表16項)

リスト規制を受ける対象製品以外のものを取り扱う場合であっても、輸出しようとする貨物や提供しようとする技術が、大量破壊兵器等の開発、製造、使用又は貯蔵もしくは通常兵器の開発、製造又は使用に用いられるおそれがあることを輸出者が知った場合、又は経済産業大臣から、許可申請をすべき旨の通知(インフォーム通知)を受けた場合には、輸出又は提供に当たって経済産業大臣の許可が必要です。

 

 

このような規制があることを踏まえ、ハイテク製品や機器類等を輸出する場合には、輸出規制の内容や輸出する製品の内容を踏まえ、輸出しようとする製品が外為法に基づく規制を受けるものではないかを慎重に検討する必要があります。
もっとも、外為法に関する知識が不十分であること等により、本来外為法に基づく許可を取得する必要があるにもかかわらず、そのことに気づかずに許可を取得せずに輸出してしまい、後になって税関の事後調査で許可をえずに輸出を行っていたことが発覚し、犯則調査に発展する事例も見受けられます。
犯則調査に発展した場合、税関の判断によっては、刑事事件として起訴される可能性もあり、結論次第では、有罪判決がなされるなど輸入者にとって重大な結果が生じるおそれがあります。

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