今回は、日本での出入国時に現金等を持参する場合の税関への申告についてご紹介します。
旅客又は乗組員が携帯して、合計額で100万円(北朝鮮を仕向地とする輸出にあっては10万円)相当額を超える現金(本邦通貨及び外国通貨)、小切手(旅行小切手を含む)、約束手形及び金融商品取引法第2条1項に規定する有価証券を輸出し、又は輸入しようとする場合は、当該旅客又は乗組員は、税関に対して、「支払手段等の携帯輸出、輸入申告書」を提出することにより申告を行う必要があります。
また、旅客又は乗組員が携帯して、1キログラムを超える地金(金の含有量が100分の90以上のもの)を輸出し、又は輸入しようとする場合も同様です(外国為替令8条の2、外国為替に関する省令10条1項)。
税関に対する申告を行う必要があるにもかかわらず上記申告を行わず輸出又は輸入した場合には、関税法111条違反より、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処され、又はこれを併科されることがあります。
また、刑事罰を科されないとしても、税関より通告処分として罰金に相当する金額の納付を通告される可能性もあります(関税法138条)。
特に地金の持ち込みには関税がかからないことから税関に対する申告は必要ないと考えてしまい、入国時に上記申告を行わないことからトラブルとなる事例が見受けられます。
100万円相当額を超える現金等や1キログラムを超える地金を携帯して出国又は入国する際には、「支払手段等の携帯輸出、輸入申告書」による申告を怠らないようにご注意ください。
当事務所には、通関士資格を有している弁護士がおり、輸入申告方法の是非の判断業務、税関事後調査への対応業務、輸出入通関にともなう税関トラブルへのサポート業務を提供しております。
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日本における出入国時の現金等の持ち出し、持ち込みについて
2013.07.18
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貿易、通関、税関対応でお困りの方に
2013.07.18
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