税関の事後調査が入る場合に、問題となるものの1つとして、アンダーバリューの問題があります。
アンダーバリューの問題とは、ここでは、実際の輸入品価格よりも低い価格をインボイスなどに記載することにより、それに基づいて行った輸入申告でも低額の関税等が計算され、実際に納付すべき金額より少ない関税等しか支払っていないことをいいます。
税関事後調査において、アンダーバリューでの申告が明らかとなった場合は、アンダーバリューでの申告が故意とみなされれば、関税不足額の納付の他に重加算税(不足額の35%相当額)が課される可能性がありますし、その他延滞税もかかります。
また、故意とみられず重加算税が課せられないとしても、過少申告加算税(不足額の10%相当額)及び延滞税がかかることとなります。
アンダーバリューを行ってしまっている場合は、本来価格の半分や3分の1程度での課税価格の申告を行っていることが多いと思われますので、関税不足額も相当程度高額となる傾向にあります。これに加えて加算税がかかるのですから、当該企業の負担は、場合によっては事業継続の弊害ともなりかねません。
そのため、税関の事後調査が入ることとなった場合には、これらの問題を踏まえた上で、専門家を交えて検討し、税関調査の準備、税関との交渉を行うことが肝要となります。専門家を交えて税関事後調査の事前準備、税関との交渉を行うと、アンダーバリューの場合でも、交渉次第では、加算税の減額や調査対象の年数を減らすなど、結果として負担額を減額できる可能性があります。
税理士には税関の事後調査に立ち会って交渉する権限はありません。税関の事後調査に立ち会い、交渉をすることができるのは、通関士又は弁護士のみです。
当法律事務所には、弁護士資格と通関士資格を両方取得している弁護士がおります。交渉を業務の常とする弁護士が、通関士資格に裏打ちされた知見に基づき、税関との交渉の代理・アドバイスを行うことが可能です。
税関の事後調査の対応・対策をご検討される際には、電話又はメールにて、当事務所にお気軽にお問い合わせください。ご相談のお申込みはこちらから行うことが可能です。