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課税価格の決定方法② ー弁護士兼通関士による税関事後調査対応ー

目次

前回は、関税評価における原則的な課税価格の決定方法について記載しましたので、今回は、「原則的な課税価格の決定方法によることができない貨物についての課税価格の決定方法」についてご紹介します。

●原則的な課税価格の決定方法によることができない貨物についての課税価格の決定方法(関税定率法4条2項、同4条の2、同4条の3、同4条の4、同法基本通達4-1の2)

1.原則的な課税価格の決定方法により課税価格を決定することができない輸入貨物は、次のとおりです。
(1)輸入取引によらない輸入貨物
 例えば、次に掲げる貨物がこれに該当する。
①無償貨物(例えば、寄贈品、見本、宣伝用物品)
②委託販売のために輸入される貨物(例えば、本邦において開催されるオークションで販売するために受託者により輸入される貨物)
③売手の代理人により輸入され、その後売手の計算と危険負担によって輸入国で販 売される貨物
  (
) 売手の代理人により輸入される貨物であっても、売手と買手との間で締結された売買契約を履行するために輸入される貨物は輸入取引による輸入貨物に該当し、 法第4条の規定により課税価格を計算するものとする。
④賃貸借契約(買取権付であるか否かを問わない。)に基づき輸入される貨物
⑤送り人の所有権が存続する貸与貨物(例えば、外国の発注者から本邦の製造者に貸与される注文品生産のための特殊機械)
⑥同一の法人格を有する本支店間の取引により輸入される貨物
⑦本邦で滅却するために、輸出者が輸入者に滅却費用を支払うことにより輸入される貨物(例えば、廃棄物、スクラップ)
(2)特別な事情がある場合
①買手による当該輸入貨物の処分又は使用につき制限がある貨物
②輸入貨物の課税価格の決定を困難とする条件が当該輸入貨物の輸入取引に付されている貨物。
③輸入貨物の処分又は使用による収益の内、売手に帰属するものがあり、その額が明らかでない貨物。
④売手と買手との間に特殊関係があり、それが輸入貨物の取引価格に影響を与えている貨物。

2.輸入貨物が上記(1)、(2)に該当する貨物である場合は、課税価格は次の方法により決定されます。下記課税価格の決定方法は、原則として次の(1)から(4)の順に適用されますが、輸入者が希望する場合は、(2)と(3)の順番を入れ替えることができます。
(1)輸入貨物と同種又は類似の貨物に係る取引価格によって課税価格を決定する方法
(2)輸入貨物又は輸入貨物と同種若しくは類似の貨物の国内販売価格から逆算して課税価格を決定する方法
(3)輸入貨物の製造原価に基づき課税価格を決定する方法
(4)上記の方法により課税価格を計算することができない輸入貨物の課税価格は、政令で定める方法(関税定率法施行令1条の11)により決定する。


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