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課税価格の決定方法③ ー弁護士兼通関士による税関事後調査対応ー

目次

今回は、課税価格の決定方法のうち、現実支払価格の算定方法をご紹介します。

 

課税価格の決定方法①において、原則的な課税価格の決定方法は、課税価格=取引価格=現実支払価格+加算要素であると説明しました。今回は、上記のうち、現実支払価格の算定方法を説明します。

現実支払価格とは、輸入貨物につき、買手により売手に対し又は売手のために行われた又は行われるべき支払の総額(買手により売手のために行われた又は行われるべき当該売手の債務の全部又は一部の弁済その他の間接的な支払の額を含みます。)をいいます(関税定率法施行令1条の4)。

現実支払価格は、次のとおり算定します(関税定率法基本通達4-2(3)、関税定率法施行令1条の4)。
1.仕入書(インボイス)価格


2.仕入書価格以外の現実支払価格の構成要素
 ①仕入書価格の他に、輸入貨物の取引の条件として割増金、契約料などが支払われる場合、仕入書価格に当該金額を加算する。
 ②輸入貨物の売手が買手以外の第三者に対して何らかの債務を負っており、当該債務を買手に弁済させることとし、輸入貨物に係る価格から当該弁済される額を控除した残額を当該輸入貨物の仕入書価格とした場合、仕入書価格に当該弁済される額を加算する。
 ③輸入貨物の売手が買手に対して何らかの債務を負っており、当該債務の全部又は一部を当該輸入貨物に係る価格の一部と相殺するため、当該債務の額を控除した残額を当該輸入貨物の仕入書価格とした場合、仕入書価格に、当該相殺される額を加算する。


3.控除する費用 
 仕入書に次に掲げる費用等が含まれている場合で、当該費用の額が明らかであるときは、仕入れ書からその額を控除します。
 ①輸入貨物の輸入申告の時の属する日以後に行われる当該輸入貨物に係る据付け、組立て、整備又は技術指導に要する役務の費用
 ②輸入貨物の輸入港到着後の運送に要する運賃、保険料その他当該運送に関連する費用
 ③本邦において輸入貨物に課される関税その他の課徴金
 ④輸入貨物に係る輸入取引が延払条件付取引である場合における延払金利

4.価格調整条項付契約の場合
 輸入貨物の輸入取引に付されている価格調整条項の適用により当該輸入貨物に係る仕入書価格について調整が行われる場合は、調整を行った後の輸入貨物に係る価格が現実支払価格となる。

 

つまり、現実支払価格=上記1+2-3 又は 上記4+2-3 ということとなります。

 

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