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課税価格の決定方法⑨ ー弁護士兼通関士による税関事後調査対応ー

目次

今回は、原則的な課税価格の決定方法、加算要素の各要素(3)輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で又は値引きをして直接又は間接に提供された物品又は役務の費用について紹介します。

原則的な課税価格の決定方法では、輸入貨物の生産及び輸入取引に関連して、買手により無償で又は値引きをして直接又は間接に提供された物品又は役務のうち次に掲げるものに要する費用が加算要素となります(関税定率法第4条第3号)。
イ 当該輸入貨物に組み込まれている材料、部分品又はこれらに類するもの
ロ 当該輸入貨物の生産のために使用された工具、鋳型又はこれらに類するもの
ハ 当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品
ニ 技術、設計その他当該輸入貨物の生産に関する役務で政令で定めるもの

(1)
 上記イに規定する「材料、部分品又はこれらに類するもの」には、商標ラベル、商品ラベル等(我が国の法律等に基づき表示することが義務付けられている品質表示が併せて表示されているものを含む。)が含まれます。ただし、食品衛生法に基づく品名、原産国、原材料等の表示ラベル、家庭用品品質表示法に基づく繊維製品に対する品質、洗濯ラベル等我が国の法律等に基づき表示することが義務付けられている事項のみが表示されているラベルは含まないものとし、当該ラベルに要する費用の額は課税価格に算入しないものとされています。
(2)
 上記ロに規定する「工具、鋳型又はこれらに類するもの」には、機械、設備、金型、ダイス等を含むものとされています。
(3)
 上記ハに規定する「当該輸入貨物の生産の過程で消費された物品」には、燃料、触媒等を含むものとされています。(関税定率法基本通達4-12)


 次回は、上記ニに規定する「技術、設計その他当該輸入貨物の生産に関する役務で政令で定めるもの」についてご説明します。

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