本日は、税関の最近の事後調査の傾向をお伝えします。
最近の傾向として、税関の事後調査が進んだ段階で、税関との間で誤解が生じたなどという形で、私どもに対応をご相談いただく事例が増えてきております。
税関の事後調査は、新型コロナウイルス感染症が拡大する前は、通例、輸入者の事業所を2~3日訪問し、その期間で、会社の事業概要・取引概要を把握して資料の取得などを行っていました。また、その際の連絡方法も、FAX送付や郵便によることが多く、通常業務で取り扱う電子メールなどの方法ではないことから、一定程度、輸入者も注意して臨む傾向があったように思います。
しかし、税関の事後調査は、事業所に訪問するという性質上、新型コロナウイルス感染症拡大防止による政府の施策の影響を受けて、事後調査自体を見合わせたり、事後調査を実施するとしても訪問の日数を減らされるようになってきました。
また、資料の徴求や税関からの連絡も、メールでやりとりする事例が全国的に増えており、調査方法の効率化も進められています。
これらの対応の結果、輸入者が注意せずに事後調査に臨むことが生じやすくなっているように感じています。
もちろん、輸入者にとっても、メールでの連絡など作業の効率化は、調査に対応する負担が軽減されるという面で好ましい側面があります。ただ、その反作用として、輸入者が、事後調査に対し、しっかりと対応する気構えを持たずに事後調査対応を進めてしまい、その結果、税関からの予期せぬ指摘や疑念を招いてしまっている傾向が生まれているように思います。
作業の効率化に伴い、事後調査に対応する事務負担が軽くなったとしても、事後調査の内容は新型コロナウイルス感染症拡大前と後で変わるところはありません。
十分な検討をせずに、メールで回答したり、事後調査に臨んだことで、税関から無用な疑念を招いたり、誤解を与えたりすることのないようにしっかりと検討した上で対応していくことをお勧めいたします。
当事務所には、通関士資格を有している弁護士がおり、輸入申告方法の是非の判断業務、税関事後調査への対応業務、輸出入通関にともなう税関トラブルへのサポート業務を提供しております。ご相談をご希望の場合は、電話又はメールにて、当事務所にお気軽にお問い合わせください。ご相談のお申込みはこちらから行うことが可能です。